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「いきおい」の原理

Tuesday, November 23rd, 2004

一旦始まると、止められず、やっていて身に付いたある種の「ノウハウ」や「メソッド」は、そのまま別の場面でも利用シタクなる。

職場の場所が変わり、仕事を始めて以来10年間溜まりに溜まった職務上の垢をそぎ落としてきれいサッパリなった。それに対して自分の部屋の、文字通り足の踏み場もない混沌は何だ? よくもこんな場所で、楽器の練習や音源のミキシングをやっていたものだ。精神衛生に良くないぞ、これは。ついに我慢の限度が超えて、今日は休日返上で要らぬものの処分と整理、そして掃除をした。

場所が悪くて機能不全になっていたキャスター付きの棚からキャスターを外し、場所を移動。窓側に移動して、見てくれよりも機能性を優先した。別の棚の上に積み重ねることで、面積効率を上げる。

いつも持ち歩いているためにすり減ったリーフレット、堆積したメモ書き、意味不明の数字の書いてある紙の切れ端、そうしたあらゆる物が挟まったフォルダーをかばんから取り出し、ケースやら書類袋の積み重ねを壊し、いちいち物品を取り出して、捨てたり、いちいちクリアフォルダーに再分類をしたり、地面にとぐろを巻いているあらゆる種類のケーブル類、すなわち電話コード、ACアダプタ、ライブ用のスピーカケーブルやコンセントの延長コード、ミキシング用に使っているシールド、ここ1年ほど使っていないMIDIケーブル、などなどをまとめ、とにかく、足の踏み場を確保することを先決とし、掃除機を掛ける。埃をどんどん吸い込んでいき、やっと床に座れるだけの余裕が出来る。堅く絞った雑巾で棚やオーディオ装置に積もった埃を拭うなどして、どんどん片付けていく。それで8時間に及ぶ<当面の整理>が終わった。これは、前哨戦である。

相変わらず机の上はヒドイものだが、次はキャビネットの中の整理をして、机の収納スペースを確保したら、それも片付けるつもりだ。これは、職場の引っ越しでこの数週間のうちに身につけた「ノウハウ」だ。

きれいになった机で、今度は棚上げになっていた譜面の整理やある古典楽曲のトランス・スクリプションなどができるようになると思えば、片付ける気にもなる。リードも削りたい。人に頼まれて、ずっと放っておいたことも腰を落ち着けて取り組めよう。

今回片付けをやってみた思ったのだが、後で必要になると思ってとってあるものが、結局「堆積」を厚くして、必要なときに必要なものが見つからず、結局、必要なはずのものまでが無駄になっていくというパターン。心をオニにして捨てることや、「拾ってこない」ことがこれからは必要だ。

新しい習慣を身につければ、これまでやりたくてできなかったことまでも実現できそうな気がする。

職場で起きた整理の「いきおい」は、自宅に及んでいるのである。