Archive for December 5th, 2004

破天空

Sunday, December 5th, 2004

今日は、現在比較的遠方に住む小川氏が実家での大事な法事を忘れていて「ダブルブッキング状態」となり、破天空に出演できなくなった。そのために、久しぶりにラッパの斎藤剛さんとのコラボレーションとなる。当の小川氏にはちょっと気の毒だが、「怪我の功名」と言うべきか、結果的には楽しい展開となった。「東京即興許可局東京即興許可局東京即興許可局」方式で、斎藤さんと餓号さん、そしてナベさんの4人から、3人を抽出して4つのトリオをやるというやりかたでライヴを行った。

廃人餓号さんのヴォイスパフォーマンスは、芝居掛かったセリフ調の語りをしていたかと思えば、感極まった調子で絶叫したり、ラッパさながらの美しいロングトーンで調性を感じさせるハーモニーを聴かせたりと変幻していく。言葉に関しては、オリジナルのテキストや、ある言葉の音(おん)から連想される他の言葉にどんどん逸脱していく即興性を感じさせる「言葉アソビ」、そしてある漫画家の「マンガの朗読」まで何が次に出るのか分からない。だが、彼のパフォーマンスには深刻になりがちな即興音楽の中にあって笑いがある。時にはシニカルなそして時にはホッとする笑いが待っているのである。

自分はと言えば、無我夢中で3つのセットをこなした感じだったが、帰宅後に録音を聴いていたら、今回のこの組合せに非常に高い可能性を感じる。これを「定期化」するのは諸事情でおそらく難しいが、餓号さんとも斎藤さんともライヴをやりたいと思った日であった。斎藤さんとは随分長いことご無沙汰していたが、また再びある程度定期的に顔合わせをしていければと願わずにいられない。