Archive for July 5th, 2005

日本の政治を分かりやすくする

Tuesday, July 5th, 2005

郵政事業民営化法案はたったの5票という僅差で本会議で可決された。そして参議院に送られた。「今日」という日は、日本の「普通の人々」が身を粉にして働いて稼ぎ出した、言わば「タンス預金」もしくは「財布」にあたる一般家庭の資金(郵便貯金)が、アメリカ合州国の禿鷹たちによって自由に狙ってもらうために、献上金として差し出されるわけで、今日はその第一歩を踏み出した記念日となるだろう。

これについては何度か書いたので、あまり付け加えることはない。あるいは、窒素ラヂカルの笑劇「郵政民営化」が参考になる。

一つ言えることは、国民のなけなしの財産にあたるこれほどの「貢ぎ物」をしても、合州国政府は日本に安全を保障するどころか、これまで以上の義務と労役を強いてくるだろうということだ。しかも、その義務と労役が誰のために行われるのかということもほとんどの人には無自覚なまま。極東に於ける国家間の政情不安定の「演出」も、実質的な戦争も、アメリカの国益という都合から体よくコントロールされるという事情にも変わりはなく、日本国内では日本の国益*ではなくてアメリカの国家を支えるために、これからは、もっと時間外労働が増え、労働災害も過労死も増加の一途をたどり、アメリカ並みの「勝ち組」「負け組」の貧富の二極化に陥る可能性が高い。

* 「国益」でものを考える人たちにとって重要なはずだ、という意味で。

日本国内においては本当の「敵」はいない。日本においては、本当の敵であるアメリカの政権に対して「協力派」と「非協力派」がいるだけである。今回の郵政事業民営化法案の本会議可決を巡って明らかになったのは、敵であるアメリカに対して協力的であろうとする側と非協力的であろうとする側に国会自体が真っ二つに分かれたということである。その差は僅かに5票である。これは極めて象徴的なことである。

ここで明らかになったと思うのは、日本の政治は自民党とその連立政党、そして非自民という諸政党との対立を軸とした本質的な「政策」による二極化ではなくて、アメリカに対して協力的であるか非協力的であるかという、政党を超えた二極化が本来のあるべき姿であるという事だ。私はそもそも二大政党制など日本に住む人々のための何の効力も感じないし、危険な政治体制であるとしか思わないが、もし日本の選挙権保持者がほんとーに「二大政党制」を望むなら、アメリカ協力党(親米党)とアメリカ非協力党(反米党)の「二大政党」であることですべては明白にすべき(なる)と思う。日本に於ける政策というのは、「日本人の日本人による日本人のための政策」と「日本人の日本人によるアメリカ人のための政策」の2つに大別されるわけだし。

言い換えれば、アメリカの実質的な属国として親米路線を現実的であると考える「協力派」とそれをなんとか乗り越えようとする「非協力派」によるそれぞれの政策運営があるということに他ならない。だが、そうした「本来あるべき姿」の政局が、実際問題では、さまざまな政党が様々な政策を立案し、それが複雑に絡み合うことによって、そして自由民主党内の親米派と反米派の恥ずべき混在によって、まったくもって不明瞭になっている。

37人の反対票と棄権・欠席をした自由民主党員は、自民党の再生などという小さな大義の旗を振るのはさっさと止めて、非自民への大合流を果たすことで、本当の日本の政治改革を実現すれば良いのである。

賛成233票

反対228票

良い二大政党の雛形になると思うが。