Archive for July 25th, 2007

“ヴィーナスの丘”と褥の皺と [1]

Wednesday, July 25th, 2007

奇しくも7/25の「聖ヤコブの日」と重なった亡父の一周忌に

帆立貝のような二枚貝の貝殻は、サンティアゴの巡礼者たちが携行することで知られるもので、多少なりとも秘教に関連した「求道者の目印」である。その名を「ヤコブの帆立貝 Pecten jacobaeus」と呼ぶ。またキリスト十二使徒の一人、聖ヤコブが元漁師であったという聖書中の逸話からか、貝殻が聖ヤコブの紋章となっている。どのような裏の真相があるかはともかくとして、聖ヤコブと帆立貝は結びつけられて記憶されている。

Santiago (Shell)[1] Shell & Hyotan[2]

サンティアゴは「聖ヤコブ」を意味するスペイン語であり、そのまま使徒ヤコブの遺骸が見つかったとされるその地の名前となっている。欧州各地からその聖地に至る巡礼路が「サンティアゴの道」と呼ばれるのであるが、その最終目的地を目指す巡礼の道行きは、同時に「絹の道」の最終地点とも言うべきユーラシア最西端を訪れる旅でもある。9世紀に見つかったとされる遺骸が本当に聖ヤコブのものであるかどうかはともかくとして、キリストの十二使徒の一人は確実に大陸の西方に向かって旅をし、その「教化の旅」はついに大陸の最西端まで至ったのだということが十分に象徴的に表現されていると言って良いであろう。

図版引用先:

[1] Fremont Coffee

[2] The Organization for Security and Co-operation in Europe

参考サイト

フランス巡礼路紀行

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