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反対物の一致《目次》

Wednesday, March 3rd, 2010

善だけの世界もなければ悪だけの世界もない。真実も多くの虚偽があってこそ意味を持つ。これらの言わば認識論的な価値の存在の仕方の中にわれわれの住む世界がある。つまり苦も楽も、それらは互いにその反対物の存在によって存在を許されているのだ。考えてみて見るが良い。一体、全くの不正の無い世界で、どんな正義が意味を持つというのであろう? 一体、まったく自己中心性の無い世界で、どんな自己犠牲が意味を持つというのであろうか? 不正や利己主義の全くない世界において、どんな救世主(キリスト)が意味を持つというのであろうか?

《反対物の一致》

エリアーデがよく問題にした「Coincidentia oppositorum」に関連しての小論考:

#1:原初的な前提

#2:いかにして「忌避すべきこと」が「歓迎すべきこと」に転ずるか

#3:死を欠かさぬものとする聖化の運動について

#4:死を伴わない発展はないことについて