うそまみれのニッポン2

もう一つの嘘。「ペイオフ解禁」という新聞や雑誌や広告でばんばん出てきている表現だって、陰謀臭い。だいたい「ペイオフ解禁」という言葉から、それの意味が理解できる人がどれだけいるんだろう? 「ニジマスの解禁」じゃあるまいし、「解禁」などというと、まるでわれわれ生活者にとって「得な」ことが起ころうとしているような印象があるじゃないか。だが、その実態は、単に、銀行はこれまであったような預金の保証をしなくても良いという、全然われわれにとって得でもなんでもない話だ。解禁って誰にとって得な「解禁」なんだよ。

3/22の新聞に載った政府公報。これがまさに「すべて本当」のことが書いてあるが、本当のことはできるだけ分からないようになっている。

政府公報「四月からペイオフ解禁!」

金融機関・農漁協等の預貯金は、預金(貯金)保険制度で守られています。ペイオフ解禁後は、全額保護される「決済用預金・貯金」以外の預貯金については、一千万までの元本とその利息等が保護されます

だと。「いっせんまんえん」なんて拝んだこともない額だからオレたちには関係ないって? そうかもしれない…。でも、これはわれわれのご先祖さんたちや両親には十分に関係のあることだし、もしあなたが相続を期待している「パラサイト系(及びその予備軍)」なら、ものすごく重要なことだぜ。この広告のトーンアンドマナーでは、まるで「保護される、だから安心でしょ」という風にミスリードしているとしか思えないじゃないの。これが政府公報が新聞にどうどうと打った広告である。「保護される」じゃなくて、「(わるいけど)一千万円までの元本とその利息等しか保護されません」でしょ。「これまでは保険制度で全額守られてきました。でも今後は銀行を保護するために、あなた方が血の滲むような思いで老後に備えて貯めてきたお金は保護されませんよ」というのが、真相でしょ。「あなた方の今までしてきた苦労は報われません。銀行(や郵便貯金)に貯めてきたお金が、破綻によって回収できなくなっても、「自己責任」です、と、われわれの最低限の生活を保障するべき政府が、その権力者としての義務を果たせません、放棄しました、と言ってきている訳ですよ。

「ペイオフカイキン」って何だって外国人に訊かれる。それって英語で訳すときは、「the end of the guarantee of full bank savings deposits」とか「removal of the full deposit guarantee」ってなるわけです。つまり、「普通預金の全額保証の終わり」「全預金額保証の撤廃」って言う意味です。これならその言葉の意味する本質が分かる。

それでも、こんな嘘だらけの「この国」に忠誠を誓う価値や意味があると、あなたはお思いですか? 郵貯がアメリカの投資ファンドにただ同然で買い叩かれて泣くのは、一体誰ですか? 

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