日本の「民度の高さ」に乾杯!

隣国による反日運動を指して、「やはり民度の低い野蛮な国だ」という発言があった。「やっぱりなぁ、そういう他国のネガで自国の優越を感じてしまうひとが日本にはまだまだいっぱいいるんだろうなぁ」と感じ、実に残念。

どんな理由であるにせよ、実は、こうした考え方が、ある一定の現象から一刀両断に国全体を(あるいは民族全体を)演繹的に判断して済ませるお手軽な思考法の典型である。こういう方々は、おそらく今回の反日運動がなくても、そもそもその隣国に対して既に特定のネガイメージというものを持っていて、それが裏付けられるように思ったので、「反日運動」のような今日的現象を進んで取り上げ、満足げに、独りごちるのである。しかも、「日本では 他国の国旗を燃やしたり 中華料理屋や フランス料理店を襲撃したり」しないというような比較で、その隣国に勝っているとでも思いたげである。

こういう方は、そもそもどうしてそのような反日運動があるのか、というような歴史をさかのぼって検証するというような知的作業には、もとより無関心なのであろう。だいたい、それを始めると自分の後生大事に持っていたい独善的「自慰史観」そのものの根拠が失われるからである。

こういうレベルでの他国との比較や自国優越感が好きな方々は、どうやら日本人は「民度が高い」とさえ思ってらっしゃるのだが、その日本人の「民度」たるや、その実態を知れば目を覆いたくなるほど「お愛でたい」ものである。というより、その「洗練された高い民度」が、ある帝国宗主国への「羊の群れ」のような半世紀年以上に及ぶ絶え間ない隷属と「植民地的被支配」を可能にしてきたのだ(しかもそれを被支配者に気付きさえさせずに)。そして、自民族の危機など、必要が迫っても声も上げず、盗られるだけ盗られてよしとする一方的な宗主国への奉仕は、経済的なことのみならず、これからは人命によっても支払われる、そうした国に日本はなっていくのである(このままでは確実に)。だいたい、在日米軍への「おもいやり予算」で支払われているあの金額は一体何だ? 全く正義のない「イラク戦争」に腰巾着のように進んで加担する日本政府の非人道性は一体どういう「民度」なのだ? そして憲法を無視して「集団的自衛権」だと? それが日本人の「民度」の程度なのだ。

経済的なことだけをとっても、現在進められつつある郵政事業の民営化(すなわち、日本国民の数十年に渡って貯めに貯めてきた老後のための箪笥預金などのリスク化)によって、長銀の米投資ファンドによる「買い叩き」どころのスケールでない途方もない大きさで、あれよあれよという間に米帝国への上納金となるであろう(全く「合法的」な手続きによって!)。そのために、着々と小泉首相や竹中経済財政・郵政民営化担当相は(売国奴とも呼ばれずに)そのプロセスを進めている訳だが、こうした自分たちの財産権や安全権を簡単に国家に譲り渡してしまうような意識の低さが、「日本の民度の高さ」なのである。おめでとう!

石を取って、米国大使館に投げつけるくらいの「民度の低さ」にわれわれはむしろ見習うべきではないのか? なんて言うと、まるで破壊行為にひとをアジっているみたいだが、そんなことを頭の中で想像したくなるほど、日本人の国内政策に対する無関心、そして「従順」が、我が「民度の高さ」を支えているのである。Fuck our mindo!


だいたい「民度」って何だよ? いつの言葉だよ? そんな言葉を平気で口にするその「感覚」が、度し難いんだよね。

http://blog.readymade.jp/tiao/archives/000818.html

http://www.union-net.or.jp/cu-cap/mindo0720.htm

こういうページを見て欲しいんだよね、「民度」を云々するひとには。

One Response to “日本の「民度の高さ」に乾杯!”

  1. ラジスト Says:

    なああんた、祖国売って楽しい?

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