朗読楽劇「解読」のリハ

日曜日、1時間ほぼぶっ続けで8/27の朗読パフォーマンスのリハをした。今回相方になるピアニストの河合さんの希望もあって、この日のアレンジしたのだった。本番と同じグッドマンにて。最初自分は「リハ」をすることに関してやや否定的だったんだけど、いろいろな意味でやってよかったね。まず、自分の話をすれば、あのテンションで読み続けることが「どれくらい大変なのか」が、よおーく分かった。あと、やってみて判明したのだが、テキストの「尺」が、全部読み終えても余裕がある感じだったこと。昨日のリハではオーボエによる即興をほとんどしなかったこともあったと思うが、十分に時間を掛けてひとつのテキストが読めるということが分かった。今回楽器はあくまでも副次的なものだから。慌てて読む必要がないことが分かっただけでもよかった。「解読」以外の作品も多分やることになるだろう。

読み方だが、テンションが上がり切ってしまうと、それはそれで単調になってしまうということだ。テンションを維持しながら表現を付けることがおそらく一番の難題になるだろう。高いテンションの中での細かい抑揚が難しい。音が「大きいか小さいか」というダイナミック・レンジの面だけ言えば囁き声から叫び声までかなり多様な表現が可能のように思える。マイクの助けもあるので楽器がある程度鳴っていてもそうした方法ができそうだ。しかし、声の音程の「高いか低いか」というフリークエンシー・レンジの面では、私の声は相当に狭いのである。テンションが上がると、いきおい同じピッチに留まってしまってそれ以上上がらない。しかもそれが結構低目の音域でそうなるから困るのだ。そしてテンションを維持しながらの声の音程の上げ下げが難しいのだ。おそらくちょっとやそっとの回数をこなしたくらいでは、そう思うようには行くまい。

テンションが上がり切ったところでそれが長く続くと、おそらく聴く方もすぐに「腹が満杯」になって集中も持続できなくなり、結果としてテキストを追うのを諦めるかもしれない。聴く人の関心をテキストに向け続けるための「語りの技術」の探求が必要になりそうだ。

河合さんのピアノは私が期待通りに(っていうか、期待以上だったと言うことなんだけど)自分の朗読と、合う。本番が実に非常に楽しみだ。リハ後に“ロイヤルホスト”で行った意見交換も、今後の考察の端緒となるものだった。河合さんは実に良く考えて今回の「朗読楽劇」に取り組んでくださっているのが感じられて嬉しかった。

これはかなりしんどい2週間になるぞ。

(とか何とか言ってますが、鬼神ライブの方が先にくるんだよなぁ。まずはそちらへフォーカスしなければ…)


(付記)

サウンドのセッティングが思いのほかうまく行かず、それだけで2時間獲っていたリハ時間のほぼ半分を費やす。私の方が15分も先にグッドマンに着いていたにも関わらず、相当河合さんを相当待たせてしまった。ケーブルの断線(これはちょっと前から疑わしかった)、もしくは自分のミキサーのターミナルに接触不良の問題(これは新しい問題)があることが判明。おそらく両方に問題がありそう。結局音が途切れがち。あまりに不安定でうまく行かないので、1時間の試行錯誤のあげくに、発想を切り替えて、グッドマンのオーディオへの直マイク(+ リバーブ)でとりあえずリハを始める。「1時間掛けて」普段使っているシステムが今度の本番でおそらく「使い物にならない」ことを見極めた感じだ。ふへー。やはりひとより「1時間」は先に現場に着いていないと何かあったときに対応ができなくなるのである。

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