ドメイン削除事故の顛末

今回の「クラウド(当ブログ)」をボタンひとつで消してしまった「事故」について書く。 その様に意識していなかったが、結局自分のブログをまさに原稿専用の「いつでも何処からでもアクセス可能なクラウド」の様な扱いにしていたのが大きな仇となった。

ローカルには下書きから起こして様々なバージョンの原稿が存在しているが、本物の最終原稿はすでにリモートの中だ。何故なら最終に近くなるとブラウザ上で通し読みをするし、何か問題を見付けたら管理画面上で修整してしまう(誰でもやっている事だと思うが)。こうしたリモートにしか最終版がないなんていう状態は、案外何処にでもある現象なのではないだろうか。

今回起きたドメイン自体の消去、などというあるまじき事故は、完全にヒューマンエラーで起きた。誰も責められない。何故この様な事が起きたかと言えば、数日前に数年来会っていなかった友人から「メールを送ったが届いていないか」と訊ねられたのがきっかけだった。いつものアドレスに届いていなかったので、に旧いメールアドレスがまだ生きたままなのではないかと考えて、久し振りにブラウザメールで心当たりのあるアドレスのページに行ってみた。すると、やはり存在していた。どういう判断でそうしたのか思い出せないが、新しいアドレスを作ってそれをアナウンスした後も残していた様だ。或いは何らかの理由で一時的に復活させたのか…

直ぐにドメイン管理画面に行き、「不要なメールアドレスの削除」のアクションをとろうとしたが、ドメイン名がこの旧いメールアドレスと酷似していたため、ブログ専用に確保していたドメイン自体を管理ページにて確信を込めて《削除》したのだった。

しかもその自分の行為の誤りに気付く事なくしばらくはメールアカウントを削除しただけだと思っていた。気づいた時は自分のやった行為が信じられず、心拍数は上がり冷や汗が出て、暫くの間、放心してしまった。しかもこのエラーが後戻りできない決定的なものだということも同時に理解していた。

あるのはあちこちのリモートやフラッシュメモリーなどに下書きとしてバラバラに書き散らしたデータだけだ。これからやる事は一年と四ヶ月書き溜めた原稿の地道な復旧なのである。「一度無くなったものは諦めるのも選択肢」のように言うひとのいるが、それを受け入れるのは到底無理だ。自己の重要性を課題に評価している部分もあろうが、書いたものは自分の子供のようなものだからだ。

いずれにしても、リモート上に最終原稿が存在しているというこの常態になりつつあるトレンドというのは、ハードディスクを初期化するよりも簡単に、自分の設定ページで2、3のボタン操作だけで「雲散霧消させる」ことが可能なほど、危ういものなのである。まさに「クラウド」なのである。

自分の教訓が今後クラウド化して行く世の中で参考になればと願う。やはりローカルとリモートの間の徹底した同期という基本を押える以外にないのだろうが、自分の判断を信じて行うエラー自体をある程度の確率で避けられない事態があるという現実を見据える必要もある。

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