原発事故を原子爆弾と比較するの愚

原子爆弾による「被爆」とそれを生き延びた人々を例にとって、今回の被曝被害を過小に評価しようとする論理が一部の「識者」の間にあるようだが、ウラン235 約60kgを一瞬で、「パッ」とほぼすべて「燃やして終わり」の原爆と、広島型原爆の1200倍以上にあたる、総量2466トンの福島第一原発のウラン燃料(プラス毒性の強い使用済み燃料)を比べることのナンセンスを分かっていない。

ちなみに100万kW出力の原子力発電所で燃焼されるウラン 235の1日あたりの質量は、2857kg。たった一日で、広島型原爆の50個弱の量のU235が消費される。つまり、20万人の人間を焼き殺すのに使う熱量の50回分くらいが、1日でたったひとつの原子炉では生み出される。

でも考えてみれば当然だが、ずうっとタービンをドライブし続ける膨大な熱量とパッと一瞬燃える爆弾の熱量が同じレベルであるはずがない。(むろん、原爆の悲惨さを過小評価するものでもない。それは別の問題圏の話。)

参考: 消費するウランの量について

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