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隠す行為が証す行為となることについて

Thursday, November 7th, 2013

われわれの深層心理には、「悪いと知って行なえば、償えない罪を犯す」(G・I・グルジェフ)という前提がまずある。


超古代文明が存在し、超歴史的周回を人類が繰り返しているという範型(パターン)は、超歴史的に(あるいは神話的世界において)起こったことのある「過ち」を、あえてまた繰り返そうと「望む」ことの顕われに他ならないが、その欲望によって起因される結果は、人類自体にとって、とても「悪い」ものとなる。


したがって、そのような超歴史的周回という存在を「知らなかった」ことにする以外に、その過ちの道を歩む方法はわれわれに残されていない。それを「識って」いる間は過つことが出来ない。(例えば、中世のヨーロッパはそれをまだ部分的に「識って」いた。)つまり、そのような超歴史的秩序の存在を証すような証拠は消されなければならないし、また、消されることによってしか、人類はそれ(築き上げた文明)を、再び確実に終わらせる方向へとひた走ることができない。


つまり、超歴史的秩序というものの存在の隠蔽は、当初は意識的に、そして組織的に行なわれ、またそれは徹底して行なわれる。そして、その隠蔽という歴史時代を超えて存在するような壮大なプロジェクト自体が、逆説的に秘密の実在を却って陰画のように数少ない洞察力のある探求者の前に映し出す。オカルトとは「隠されたもの」を意味する。そしてその隠すという歴史的努力の水脈のために、その実在はむしろ後世に伝えられる。それは大多数が信じやすい嘘という数限りないバスに乗せられ、その乗り物のいくつかが、信じ難い真実を壊さずに、未来のある地点まで運ぶ。嘘こそが真実を運ぶ運搬車なのだ。