Posts Tagged ‘ユング’

「超・汎性欲論」でフロイトを再評価する

Thursday, June 30th, 2011

Twitterでのつぶやきを備忘録として転載。

箱崎総一氏の古典、『カバラ—ユダヤ神秘思想の系譜』を通読していて、ふと跳んだ考え。

フロイトが無意識という精神の未知な領域を発見したまでは良かったが、汎性欲論でその未知領域を総て説明できるとして、その線で自理論のまったき教義化を図ろうとした、というのがユングのフロイト評だとしよう。

だがユングの元型論も、それを突き詰めて行った先には、チベット密教の伝える男女神による宇宙的な媾合図のようなスケールの《性欲》がコスモスを充たしているという真相に行き当たらずには済まないのでは、という想像もある。だとすれば、これは言ってみれば「超・汎性欲論」なのである。

こういう批評が一巡した先の、フロイト再評価というものがあるのかもしれない。 つまりフロイトさえも気付かなかったかもしれないような個人や人類のレベルでない、宇宙的リビドー説。元の鞘に戻ろうとする物質と反物質の分離、ないし、宇宙的な《精神》と《物質》の婚姻。