3. 昭和残侠伝(1965)

監督:佐伯清 サエキキヨシ

脚本:村尾昭 ムラオアキラ / 山本英明 ヤマモトヒデアキ / 松本功 マツモトイサオ

高倉健 タカクラケン(寺島清次)

三田佳子 ミタヨシコ(西村綾)

伊井友三郎 イイトモサブロウ(川田源之助)

中田博久 ナカタヒロヒサ(川田輝男)

菅原謙二 スガワラケンジ(江藤昌吉)

中山昭二 ナカヤマショウジ(福永繁)

松方弘樹 マツカタヒロキ(ジープの政)

梅宮辰夫 ウメミヤタツオ(ゼロ戦五郎)

潮健児 ウシオケンジ(遠山六兵衛)

池部良 イケベリョウ(風間重吉)

水上竜子 (風間美代)

山本麟一 ヤマモトリンイチ(羽賀明)

とにかく言葉がうまく、存在感があるのが、殺されて「先代」になってしまう川田源之助を演じる伊井友三郎。ものすごく、格好いい。それから、「軒下の仁義」といって始まってしまう客人(池部良)と江藤(菅原謙二)の間で成される“自己紹介”。これは、仁侠モノを見始めた人には新鮮なおどろき。実に興味深い。

(goo cinemaでの紹介文)

太平洋戦争終結直後の東京は、日本古来の任侠道も社会道徳もすたれ、浅草もその例外ではなかった。浅草露天商は新興やくざ岩佐の牛耳る新誠会の縄張りの中で、売上げ、場所代を組織に納め、闇物資や統制品の横流れにささやかな商品の糸口を求めていた。昔からの由緒ある神津組二代目源之助は、この有様をなげきながらも、跡目と願う寺島清次の未復員を含め、戦死の組員が多く、人材に事欠く状態であった。悪らつな新誠会のやり方に、警察は親分衆を集め自粛をもとめたが、物資搬入ルートを握る新誠会に楯つく者はいなかった。唯一人、岩佐の手口をほのめかした源之助は、実子輝男の目前で射殺された。

昭和残侠伝(1965)の名ゼリフ「軒下の仁義」は...


(親方)おい、そのお方は?

(江藤)へぇ....

どうぞ。

(風間)へ...。

(仁義を切るために腰を下げる)

御当家、軒下の仁義、失礼ですが、お控えくだすって。

(江藤、軒下に出てくる。そして風間と同様に応えるために腰を下げる)

ありがとうござんす。軒下の仁義は失礼さんにござんすが、手前、控えさしていただきやす。

(風)さっそくながら、御当家三尺三寸借り受けまして、家業、仁義を発します。

(江)手前、当家の若いもんでござんす。どうぞお控えなすってください。

(風)手前、旅中の者でござんす。ぜひとも御あ兄いさんからお控え下すって。

(江)ありがとうござんす。再三の御言葉、逆意とは心得ますが手前、これにて控えさせていただきやす。

(風)早速お控え下すって、有り難うござんす。手前、粗忽者ゆえ、仁義前後間違いましたる節は、真っ平ご容赦願います。向かいましたる御あ兄さんには、初の御目見えと心得ます。手前、生国は大日本帝国日光筑波東国関東は吹き下ろし、家州は宇都宮でござんす。家業、縁持ちまして、「みのかたや*」と発しますは、家州、宇都宮に住まいを構えます、十文字一家。三代目を継承いたします坂本士太郎に従います、若いもんでございます。姓は、風間。名は、重吉。家業、昨今の駆け出し者でございます。以後、万事万端よろしくお願いなんして、ざっくばらんにお頼ん申します。

(江)ありがとうござんす。ご丁寧なる御言葉申し遅れまして失礼さんにござんす。手前、当、神津組四代目、川田源之介に従います若いもん。姓は、江藤。名は、昌吉。家業、未熟の駆け出し者、以後万事万端よろしく、お頼ん申します。

(風)有り難うございました。どうか、お手を上げなすって。

(江)あんさんから、お手を上げなすって。

(風)それでは困ります。

(江)じゃ、御一緒にお手を上げなすって。

(ふたり同時に)有り難うござんした。

* 意味不明。

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