詩の言葉で語れ

「どこのどいつのことだい? あの人のこと? へっ? 確かに私もウソが多いと思ったことはある。」

しかし、何が一体ウソなのか? 何が一体マコトなのか? それを断定できる立場にいるのはいったいどこのどいつなのか? こちらで悪いものはあちらでは良い。こちらで良いものは、あちらでは悪い。臭いものは良いもので、良いものは臭い。あちらでもっとも美しいものはこちらで最も醜く、あちらでもっとも醜いものはあちらで最も美しい。弱さは強さで、強さは弱さの現れだし、男らしさなんてモノは女っぽさの現れだし、女っぽいものが、どんな男らしさよりも強さの現れであり得る。ウソでないものがほんとにあるのか? 誓っても良いが、聖人は、あの世では罪人だ。罪人はあの世では聖人だ。マーラーじゃないが、「生も暗く死も暗い」もホントはウソ。「生は暗く死は明るい」のかもしれず、その逆は、控えめに言ってもわれわれの生の中では「正」だ。

「ウソの多いあいつが不正直かって? ちょいとお待ちなよ。あなたが、ウソを生きていない「ホントのことだけの人生」を生きているのだと胸張って言えるなら、その言葉自体がウソだね。ウソだけで出来ていると自嘲するヤツがいれば、その言葉も信じるに値しない。」

「ウソとマコトが混ざりあって、「善と悪まみれ」になっているのがドラマ性。で、てめえの人生はきちんとドラマになっているか?」

おっと勘違いして貰っちゃ困るぜ。オレは「相対的な歴史観」みたいな浮き世の話をしてるわけでもない。

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