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調和の夢

Saturday, November 27th, 2004

夢で感動して目が覚める。大学か高校生くらいの若い人たちが集まってコンサートの準備をしている。学生達の中に知っている人は独りもいない。が、自分はOBのように彼らと親しく接している。混声合唱団のようなクラブ活動のようだが殆どが女子である。だが、準備しているコンサートはオケとの共演という大がかりなもの。どうやら自分はオケの方の出演者の一員のようである。

ほどなくして照明装置に明るく照らされた舞台上でコンサートをこなす。聴いたことのない音楽。自分は楽器を吹いているだけではなく、指揮者のような一でキューも出すという役割。一体どういう趣向なのかは分からぬが、この世界ではコンサートはそのように行われるのである。そしてその音楽の感動的なこと。合唱団の作りだすハーモニーとオケの感動的なほど劇的な交響。

コンサートはいつの間にか終わり、自分は学校か合宿場の中庭を上から見下ろしている。その場所は山の中腹のような所にあり、周りは優しい自然に取り囲まれている。制服を着た先ほどの女子学生たちが中庭のあちこちに分散して佇んでいる。これは合宿のようでもあり、何か儀式を思わせる空気が張りつめている。

やがてどこからともなく、そして誰ともなく歌が始まる。あちらでもこちらでも歌の澄んだ声がわき起こり始める。そして、統一的な和声を築き始める。いつの間にか自分は下の中庭の女子学生の間にいて、そのハーモニーのまっただ中にいる。そして、女子学生達の顔を見つめている。すべての学生も感動を表情に顕わしている。だが、抑制して最後の儀式を終わらせるために感動を怺えながら歌を歌い続ける。そうだ、これは今まで行ってきたすべての終わり、卒業式、それも自分たちで企画した卒業の儀式なのだ。

透明で、信じられないような感動的な旋律。建物の隙間から差し込んでくる黄昏の光。その中で彼女たちは歌い続け、だんだんに一つの場所にゆっくり移動してくる。そして、彼らは一列横隊し、最後のハーモニーを長く延ばした。感動で、私は涙を流している。

そして目が覚めた。まだ旋律の余韻が残っていたが、感動して涙が出た。

あのような調和と旋律が自分の中にあったとは。いや、それともある何かが自分を訪れたのか。それにしても、彼の旋律を書き留めることが出来たなら。今は感動以外の何も思い出せないのである。